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FAQ 1008912 : バス接続と1対1接続について(Bus connection and point to point connection)

基本的に信号は出力(point)から入力(point)に接続します。従って、メモリのように多くの記憶素子から構成されたパーツで個々の記憶素子を1対1接続で選択しようとすると接続する配線の数は記憶素子の数だけ必要になります。



そこで、選択信号をエンコードすることで配線の数を減らす必要があります。選択信号をエンコードすると、アドレス情報となります。このアドレス情報は選択 信号と異なり1つの入力に対して出力してやればいい訳ではなく、複数の入力に対して出力する必要があります。そのためにバス構成となり、アドレスバスとな ります。



このようにアドレスバスを用いることにより、少ない本数の信号線で必要な指定を行うことができますが、最終的には個々の記憶素子の選択信号が必要になります。このためにアドレス情報のデコードを行う手間が追加されます。デコードについてはFAQのデコーダも参照ください。

 ちょっとおまけ

メモリの中では個々の記憶素子(メモリセル)を選択するためにアドレス情報をデコードしますが、単純にデコードしているわけではありません。アドレスをロ ウとカラムに分け、マトリクス状に配置したメモリを2本の選択線の組み合わせで選択しています。これにより、選択信号の本数を減らし、集積度の向上を図っ ています。
また、選択線をデータの読み出し線と兼用させることで、より配線を少なくできるようにもなっています。


同じようにデータについてもバス構成とし、しかも双方向での転送を行うことで必要な信号の本数を少なくできます。なお、データバスの場合には、通常はデ コードを行う必要はありませんが、いつデータが有効であるかを明確にする必要があります。このために、アドレスバスとデータバス以外に制御用に信号が別途 必要になります。バスを用いて書き込みを行う場合の例を下図に示します。この例ではWR信号がアクティブ(ロウレベル)の時にはバス上のデータ(及びアド レス)が有効であることを示します。



さらに、バスの信号線の数を減らすために、アドレスとデータを同じバスで兼用するようなケースもあります。この場合には、バスを時間で区切って、ある期間 はアドレスバスとして使用し、その後はデータバスとして使用します。この方式はアドレスとデータをマルチプレックスすることからマルチプレックスバスと呼 ばれます。マルチプレックスバスを使用する場合には信号の受け側で正しいアドレス情報を取り出すために専用の制御信号が必要になります。アドレスの制御信 号としてはASTBなどと呼ばれる信号が使われ、この信号を用いることでマルチプレックスバスからアドレス情報を取り出します(アドレスを生成します)。 マルチプレックスバスからアドレスの生成にはラッチが使用されます。FAQのラッチをご参照ください。
なお、マルチプレックスバスでは一つのバスを切り替えながら使用するため切り替えのところで信号が衝突しないようにタイミングが重要になります。特にリー ドではデータの転送方向が切り替わるので、より注意が必要です。(このため、マイコン側ではリードの後にアイドルサイクルと呼ばれるなにもバスをアクセス しないサイクルを入れるようになっているものもあります。)



このようにバスは信号線の本数、配線を少なくするのには有効で、今日のマイコンの発展を支えた重要な技術の一つです。しかし、高速化ではボトルネックとなる面もあります。

 

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