Renesas Synergy™

FAQ 1009043 : Sパラメータ(S-parameter:Scattering parameter)

高周波の電子回路や部品について、反射/透過の特性を表す回路網パラメータのひとつで、散乱パラメータとか散乱行列(S行列)とも呼ばれます。
通常のトランジスタ回路ではhパラメータが使われますが、一般にSHF帯(3G-30GHz)以上の周波数では、電圧や電流の測定が困難なので、インピーダンスを基にしたSパラメータが用いられます。
入力と出力がn対になった回路で、入力方向の信号の振幅をa1~an、出力方向の信号の振幅をb1~bnとすると、回路網は次式で表されます。

b1=S11a1+S12a2+・・・+S1nan
b2=S21a1+S22a2+・・・+S2nan
・・・・
bn=Sn1a1+Sn2a2+・・・+Snnan

これらの式は、行列で次のように表されます。

このS11~SnnがSパラメータです。これらを複素数で表記すれば、反射の位相についても記述できます。
4端子回路網では、Sパラメータは次のようになります。

S11=(b1/a1)(a2=0):入力反射係数
S21=(b2/a1)(a2=0):順方向透過係数
S12=(b1/a2)(a1=0):逆方向透過係数
S22=(b2/a2)(a1=0):出力反射係数


なお、これらの特性は、次のように反射量の大きさ(MAG.)と位相(ANG.)で表されます。



ここで、Kは安定度係数で、大きいほど安定することになります。Kの理論式は次のとおりですが、上記は実測値のため一致はしていません。

Sパラメータの測定は、一般にネットワーク・アナライザで行われ、測定結果はスミス・チャートや周波数グラフなどで出力されます。次図に、スミス・チャートでのSパラメータの表記例を示します。

他にご質問がございましたら、リクエストを送信してください