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FAQ 1009197 : 化合物半導体とは?

半導体には、単体元素よりなるもの (例えばシリコン:Si)と、2種類以上の元素を人工的に結合させた結晶(例えば長年の半導体製品への応用実績があるガリウム:Gaとひ素:Asとの結晶等)からなるものとがあります。
後者を総称し化合物半導体と言います。
尚、前述のガリウムとひ素の化合物(Ⅲ-Ⅴ族)では,電子の移動度がシリコンの約6倍以上あるため高周波/高速用半導体デバイスの基板材料として用いられます。
その他の化合物用元素(Al:アルミ、In:インジウム、N:窒素、P:リンなど)も発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)の基板材料として使用されます(注)
そして、このⅢ-V族化合物のp形不純物として亜鉛(Zn)が、n形不純物としてはテルル(Te)がよく用いられます。



(注)

発光ダイオードの発光はダイオードに順電流を流した場合、正孔と電子との再結合により 正孔と電子がもともと持っていたエネルギーよりも小さなエネルギーとなり、余分となったエネルギーが光に変わることで起こります。この発光に際し、単体元 素では光が放出されにくく、化合物であると放出が行われることから化合物が発光ダイオードの基板材料として用いられます。
ここで、波数kも考慮したバンド構造(E- k空間)を考えると、ガリウムひ素GaAsや窒化ガリウムGaNでは、空帯(伝導体)の底と充満帯(価電子帯)の頂上が縦に並ぶ直接遷移型で、順バイアス による電子と正孔の再結合で強い光を放出します。シリコンSiでは、これらのピークが波数方向にずれていて、再結合エネルギは結晶の格子(原子)振動 (フォノン)になる間接遷移型のため、熱や微弱光の発生にしかなりません。



発光の波長λは、次式で得られます。
λ[m]=hc/Eg
h:プランク定数(6.626×10-34 [J・s])
c:光速(3.000×108 [m/s])
1eV=1.602×10-19[J]より、λは次のような値になります。
λ[nm]=1241/Eg[eV]
たとえばガリウムひ素GaAsの禁止帯幅Egは約1.4eVで、波長は886nmです。可視光は360~830nm程度なので、これは赤外線となります。 また、窒化ガリウムGaNの禁止帯幅は約3.4eVで、波長は365nmで紫外線に近くなります。これに微量のインジウムInを加えてInGaNとし、青 色発光ダイオードとして利用されています。
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