Renesas Synergy™

FAQ 1010067 : ハードウエア開発(早期開発・信頼性問題回避のために)

(1) 規格
◆規格の範囲を越えて設計/使用してはいけません。
規格外の状態では、誤動作や劣化促進や破壊により、市場不良を起こす原因になります。 また、特性は個々に異なるので、実力という考えは設計に適用できません。MIN/MAX規定については、最悪値で設計してください。 なお、静電気やサージが混入するおそれがある箇所は、ツェナー・ダイオードによる保護が必要です。
デバイス同士を接続する場合、双方の絶対最大定格とAC特性、DC特性を比較することになります。ここで、DC特性の電圧は、 定常状態を想定していることにご注意ください。出力側の過渡特性や配線のインダクタンスなどによって、アンダシュートやオーバシュートが発生し、入力側の 絶対最大定格を越えることがあります。この場合、ノイズ・クリッピング・ダイオードなどでの対策がなければ、入力側のラッチアップや劣化促進の原因となり ます。
(2) 端子処理
◆CMOSデバイスの入力を未接続にしてはいけません(内部プルアップを使用する場合を除く)。
ノイズによる貫通電流が、誤動作や劣化促進の原因になります。 また、入出力を切り替えるポートにFETのゲートなどが接続されていて、そのポートが入力になっている期間(ともに入力Hi-Z)も、未接続と同じ状況です。この 場合、双方が誤動作する可能性があるので、リセット後にそのポートを出力にするまでの期間、外部デバイスの状態を固定する必要がある場合には、外部でプル アップ/プルダウンしてください。
◆出力同士を直接接続してはいけません(オープン・ドレーンやオープン・コレクタを除く)。
極性の異なる信号が衝突すると、DC特性を越える過電流が流れ、劣化促進や破壊の原因になります。
◆出力を電源やグランドに直結してはいけません。
出力同士の接続と同様で、劣化促進や破壊の原因になります。 入出力端子を入力で使用する場合のレベル固定でも、ノイズの影響で出力となる可能性を考慮すると、抵抗挿入が理想的です。
◆MOSデバイスの信号線-グランド間にコンデンサ挿入の場合、突入電流や過電圧への対策が必要です。
ノイズ対策でよく検討されますが、コンデンサ付加だけでは、劣化促進や破壊の原因になります。これは、信号変化時にDC特 性を越える過電流が流れ、また電源遮断(0V)時に絶対最大定格を越える過電圧を印加することになるためです。時定数の変化が、入力側のAC特性に対して問題が ないことも要確認です。
◆モータやコイルなどの誘導性負荷の場合、サージへの考察が必要です。
誘導性負荷の駆動電流が変化すると、電流による磁束が変化して逆起電力を生じ、 変化を妨げる方向に大電流を流そうとし ます。これがサージとなって、駆動素子の劣化や破壊の原因と なります。駆動素子の定格を越えるサージが発生する場合は、ダイオードやスナバ回路などでの 対策が必要です。なお、ダイオード内蔵型のトランジスタやFETでの駆動も有効です。
◆電源遮断時に外部機器から信号が入力される電源シーケンスの場合、MOS入力なら過電圧への対策が必要 です。
入力電圧の絶対最大定格で、最大値が「VDD+α」となっている場合、電源遮断(0V)時に信号を入力すると、劣化促進や破壊の 原因になります。特に、この状態で電源を投入すると、ラッチアップが発生しやすくなります。なお、「+6.5V」などの絶対値表記になっている端子では、その 電圧までの入力は問題ありません。
◆外部入力クロックの周波数や供給元の切り替えで、ショート・パルスを発生させてはいけません。
規格を満さないパルスは(1)に該当するため、誤動作の原因になります。特に、信号と非同期な手動スイッチによる切り替えに 注意が必要です。また、切り替え時にスパイク・ノイズが発生して、その電圧がDC特性を越えると、劣化促進や破壊の原因にもなります。
◆デジタル回路での手動スイッチなどの入力について、チャタリングへの考察が必要です。
機械式のスイッチやキー、リレーなどは、作動によってチャタリングを生じて、ショート・パルスを発生させるため、回路に よっては誤動作の原因になります。これらの入力をマイコンで認識する場合は、ソフト・タイマ(プログラム処理)でサンプリング待ちをして対策することがで きます。 なお、トグル・スイッチや回路切り替えスイッチの入力で、チャタリングが問題とならないサンプリング回路(サンプリング間隔がチャタリングより長い)なら 、特に考慮する必要はありません。
◆マイコンでアナログ入力と兼用のポートを使用する場合、AVREF端子がポート電源なら電源供給をしなけ ればいけません。
AVREFがGND接続では、ポートが機能しなかったり、内部に異常電流が流れて信頼性に影響したりすることがあります。アナロ グ・ポート電源がAVREFかVDDかは、端子の入出力回路でご確認ください(電源がVDDなら、AVREFはGND接続可)。
◆電源電圧の異なるデバイスの接続では、トレラント設計が必要です。
たとえば、3.3V動作と5V動作のCMOSデバイス同士を接続する場合、3.3V動作デバイスの出力に5V耐圧以上のオープン・ドレー ン・バッファを使用し、その出力を5V電源に抵抗でプルアップする必要があります。また、3.3V動作デバイスの入力にも、5V耐圧以上のバッファを使用する必要 があります。いずれの場合も、5V以上の耐圧がない通常のバッファでは、絶対最大定格を越えて信頼性問題の原因にもなります。
(3) 起動
◆発振回路を内蔵しているデバイスは、発振が安定する前に起動してはいけません。
不安定なクロックでは、どういう動作をするかを特定できません。外部発振回路からマイコンへクロックを供給する場合、パ ワーオン・リセット信号はクロックが安定してから解除してください。 なおマイコン内部の発振については、内部タイマで安定待ち時間を設定できたり、フラグで状態確認ができる製品があります。また、時間設定については、オプ ション・バイトで起動時に行ったり、起動後にプログラムで行う場合があります。
(4) 信号変化
◆入力信号の立ち上がり/立ち下がりは、あまり緩慢にしてはいけません。
一般に信号の遷移時間は規定されており、それを守る必要があります。しかし、マイコンのポート状態はプログラムで読み込 まれるため、ランダム・ロジックに比べて時間がかかるため、立ち上がり/立ち下がり時間の規定をしていません。だからといって、あまり長い遷移状態では問 題となることがありますので、大容量コンデンサで極端になまらせることなどは避けるべきです。 なお、電流や容量(突入電流)の過負荷は、波形のなまりだけでなく、信頼性にも影響を与えかねません。
(5) 電源供給
◆電源電圧の変動は、あまり急峻にしてはいけません。
動作電源電圧に「1.8~5.5V」などの幅がある製品では、その範囲内の変動があっても動作可能です。ただし、その変動は 0.1V/ms以内を目安としてください。また、電源電圧に伴って、動作周波数範囲やDC特性、絶対最大定格などが変動することにご注意ください。
◆異なる電源で動作するデバイス間の信号接続をするには、グランドを同電位にする必要があります。
グランド間に電位差があると、相対的な入出力電圧がずれるため、誤動作や破壊の原因となります。このような場合、基本的 にはグランド同士を接続しますが、それができない回路では、信号線をフォトカプラで電気的に絶縁分離するなどの処置が必要です。

 

適用製品

RL78シリーズ

 

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