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FAQ 1006734 : マイコンの電源立ち上げについて(マイコンに共通)

マイコンの電源電圧の立ち上がり時間には制限があります。
(1)電源の遅い立ち上がり
一つはパワー・オン・リセットとの関係です。電源投入時にリセットをかけるための簡単な方法は下記の回路例のようにCRの時定数回路でVDDの立ち上がりを鈍らせてRESET信号を生成するものです。このときの電源電圧とRESET電圧の関係が下側のグラフになります。このグラフのように電源電圧が立ち上がると、それに従って、マイコンのRESET入力の閾値が変化します。マイコンに入力するRESET電圧はCRの時定数回路で立ち上がりが鈍って、このように緩やかに立ち上がります。RESET電圧がRESET入力の閾値より低いときにはマイコンにリセットがかかり続けますが、閾値を越えるとリセットが解除され、マイコンは動作を開始します。





電源電圧の立ち上がりがさらに緩やかになった場合を考えてみます。RESET入力の閾値は電源電圧に比例して変化します。電源電圧の立ち上がりが緩やかになったことで、直ぐにRESET電圧がこの閾値を上回った状態になります(下のグラフ)。こうなると、マイコンにはリセットがかからなくなるので、正常に起動できなくなります。
これが電源電圧の立ち上がりが緩やか過ぎる場合の問題点です。
このような問題を避けるには電源電圧を監視して、ある電圧以下では、RESET信号を出力するような専用ICを使う必要があります。
もう一つは、マイコンに内蔵されたPOC(パワー・オン・クリア)回路との関係です。
最近のマイコンでは、内部にPOC回路と呼ばれる電源電圧を監視する機能を内蔵したものもあります。この場合には電源電圧がどのような値になったらリセットを解除するかが問題となります。最近のマイコンでは、幅広い電源電圧範囲で動作が可能となっています。
(FAQの予備知識の中に「電源電圧と動作クロック(Operation Voltage and System clock)」が掲載されているので、それも参照してください。)
低い電源電圧での動作を考えると、できるだけPOC電圧は低くする必要があります。また、電源オンからの起動時間をできるだけ短くする(起動を早くする)ことも重要になってきています。このために、リセット時には発振子を用いたクロックではなく、より早く発振可能な内蔵発振器を使用したクロックを利用するものもあります。この場合にも、POC電圧はできるだけ低くすることが重要になります。
この点を意識したのが78K0/Kx2で、POC電圧が選択できるようになっています。78K0/Kx2の1.59V POCはデバイスとしての動作可能電圧(1.8V)よりも低い値となっています。普通に考えると、動作可能電圧より低い電圧でPOCによるリセットが解除されてしまうと正常に動作しないことになります。ところが、実際のデバイスでは電源電圧がPOC電圧を越えたからと言っても直ぐに動作するわけではありません。POC電圧を超えたことを検出するための時間や、内蔵のレギュレータで電圧を生成する等の内部処理の時間(これはPOC電圧と独立)が必要になります。これらの時間を考慮すると、POC電圧を1.59Vにしてもこれらの準備処理時間で電源電圧が動作可能電圧になれば、正常に動作可能になります。このために規定されたのが、電源電圧の立ち上がりの傾きです。この規格値よりも電源電圧が急激に立ち上がればマイコンの準備が完了して動作可能になったときには電源電圧は動作可能電圧になり、高速の起動が可能となります。



(2)電源の急激な立ち上がり
逆に電源の立ち上がりが急激な場合にも問題があります。極端に立ち上がりが急激な場合にはクロック発振ができなくなる可能性が考えられます。しかし、通常の電源ではこのような立ち上げは殆んど不可能なので、無視しても問題はありません。

適用製品

78K ファミリ
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