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FAQ 1009000 : A/Dのサンプリング(Sampling of A/D converter)

自然界のアナログ信号をマイコンなどのデジタルで処理する場合に、その間にA/D(アナログ・ツウ・デジタル)コンバータが必要で、最近のほとんどのマイコンには内蔵しています。ここで、A/Dコンバータは、アナログ信号を時間軸方向で一定の時間間隔で取り込みます。これをサンプリング(標本化)と言い、その一定の時間をサンプリング周期と言います(サンプリング周期の逆数をサンプリング周波数と言います)。一方、振幅軸方向で、予め決めておいた離散値に近似することを量子化と言います。



A/D変換する際、サンプリングについての次の注意が必要です。
(1)サンプリング周波数とアナログ信号の周波数の関係による注意
サンプリング周波数(fs)はアナログ信号(f)の周波数の2倍より大きくしなければなりません(シャノンのサンプリング定理)。例えば、下図のように、アナログ信号の周波数とサンプリング周波数が同じ場合には、デジタル後の値が一定になり、アナログ波形をデジタル波形が近似できません。



次に、サンプリング周波数(fs)をアナログ信号(f)の周波数の2倍にした場合を下図に示します。2倍で、デジタル波形がやっと同じ周波数の三角波になります。位相がずれれば、振幅が小さくなってしまうので、サンプリング周波数をアナログ波形の周波数の2倍よりもっと大きくしなければ、誤差が大きくなってしまいます。
このように、デジタル化したいアナログ信号の周波数の上限の2倍以上でサンプリングできる(変換速度のある)A/Dコンバータを選ばなければなりません。



A/Dコンバータに入力しようとする実際のアナログ波形は、単一の周波数成分(f)ではなく、色々な周波数成分を持っており、サンプリング周波数の2分の1以上の成分も含まれています。そこで、A/Dコンバータの前段に、サンプリング周波数の2分の1以上の成分をカットするロウパス・フィルタを使用します。 ただ、一般的にロウパス・フィルタはカットしたい周波数以上を急峻にカットできないので、A/Dコンバータの入力信号がサンプリング周波数の2分の1以上の周波数成分を十分カットした信号になっているように、カットオフ周波数を設計しなければなりません。なお、ロウパス・フィルタのコンデンサやコイルによって、電源遮断時に、A/Dコンバータの入力の絶対最大定格を超える可能性があるので、電源へ放電する保護ダイオードも必要になります。


(2)A/D変換時間に対する注意
A/Dコンバータはアナログ信号をデジタル信号に変換するのに一定時間費やすにもかかわらず、アナログ信号は常に変化しています。そこで、正確に変換するために、変換中、アナログ信号を一定に保持しておくサンプル&ホールド回路を、A/Dコンバータの直前に設ける必要があります。ただ、最近のマイコンはこの回路を内蔵しています。

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