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FAQ 1008634 : 電気に関する単位の意味は?

電気関連では、おもに電圧V(単位[V]:ボルト)、電流I(単位[A]:アンペア)、抵抗R(単位[Ω]:オーム)、電力P(単位[W]:ワット)、周波数f(単位[Hz]:ヘルツ)といった項目が基礎パラメータです。

(1)電圧
電圧というのは、電荷の位置エネルギです。ですから、電圧は高い/低いという表現をします。水にたとえるなら、水深の深いところでは水圧が高くなったり、高低差の大きな水の流れのエネルギが大きくなったりするようなものです。
物質に電圧を加えることを「電圧をかける」とか「電圧を印加する」と言います。
なお電気には、時間の経過とともに極性(±)が変動する交流(AC:Alternative Current)と、極性変動のない直流(DC:Direct Current)があります。電灯線のAC100Vというのは正弦波交流で、実効値が±100V、ピーク値は±141Vです。これに対して、電源アダプタ出力のDC4.5Vなどは直流です。



電圧というのは、相対的な概念です。たとえば、半導体ICのVDD、GND端子に電源を供給する場合、GND=0Vとみなして、VDD=3.3Vというのはそれより3.3V高い電圧を印加することを意味します。絶対的な電圧は電位で定義され、地球(対地アース)の電位を0Vとします。先の例のGNDは装置の筐体(シャーシ・アース)の電位で、0V電位とは限りません。2点間の電圧は電位差であり、一般に用いられている電圧というのは、この電位差のことです。





(2)電流
電流は、単位時間に電気(電荷Q)の流れる量を表します。

電流I=dQ/dt

電圧が高いほど、電流が多くなります。



人体に1Aの電流が流れると死にいたると言われていますが、この1Aというのは次のような値です。

1m離れて平行に1A流れる電流の間には、1mあたり2×10-7N(ニュートン)の力が働く


なお、「消費電流」とか「電流を消費」という表現は誤りです(「(4)電力」参照)。

(3)抵抗
抵抗は、電気の流れにくさです。同じ電圧でも、抵抗が小さいほど、電流は多く流れます。



電気関係の基礎的な法則に、オームの法則があります。

オームの法則 : 電圧V(V)=電流I(A)×抵抗R(Ω)


(4)電力
電力は、電圧と電流の積です。

電力P(W)=電圧V(V)×電流I(A)

たとえば40Wの電灯線用電球には、40/100=0.4Aの電流が流れます。
電力会社の使用量明細では、kWhという単位を使用していますが、これは1時間当たりに消費する電力を累積した積算電力量です。40Wの電球を1時間使用すると、40Whという電力量になります。1500Wの熱器具を3時間使用した場合の電力量は、4.5kWhになります。
ところで、電力は「消費する」という表現をします。「消費電流」という表現は誤りで、電流は消費してなくなることがなく、ループして戻るか、行き先に到達します。「消費」に対しては、「消費電力」でなければなりません。電流については、「定格電流」とか「電源電流」、「動作電流」などの表現が用いられます。

【ティー・ブレイク】
交流の電気の場合の電力値としては時間的な変化に対して平均値をとることが一般的です。実効値というのは、抵抗負荷Rに交流の電気を供給したときに、直流と同じ平均電力を消費する電圧と電流の表現方法です。
交流電流i(t)を用いた各瞬間の電力値はRi(t)2として表されますが、これはRi(t)2の平均となり、直流電流Iは



となります。
この関係から実効値はその瞬時値の2乗(Square)の平均値(mean)の平方根(root)で表されます。
尚、このことから実効値であることを示す表記方法として(root mean squareを略し)rmsを用いVrms,Irmsと示します。

この様に交流の電圧と電流は実効値で表され、これによって、電力計算を直流と同様に行うことができます。電圧と電流のピーク値がVp,Ipの正弦波交流の場合を算出しましょう。

電流i(t)=Ip・sinωt
電圧v(t)=R・Ip・sinωt
電力P(t)=R・i(t)2=R・Ip2・sin2ωt=R・Ip2・(1/2)(1-cos2ωt)


平均電力は、これを1周期分だけ積分して、周期Tで除算したものです。

1周期分なのでωt=2πより、第二項は積分すると0となるため、

直流の電力計算式は、

P=V・I


そこで、Vrms,Irms(実効値)をそれぞれVp,Ipの「ルート2分の1」と定義すると、直流と同じ計算式になります。


(5)周波数
周波数というのは、一定周期で変化する交流成分について、1秒間に振動する回数を意味します。周波数と周期は逆数の関係です。

周波数f(Hz)=1/周期T(s)


【ティー・ブレイク】
商用送電は、東日本が50Hz、西日本が60Hzですが、これは発電機導入の歴史による文化の違いです。
エジソンが世界初の電力供給システムを完成した翌年1883年(明治16年)に、東京電燈(現在の東京電力)が設立され、文明開化の波に乗って、日本でも一気に電化が進みました。当初、東京は直流、大阪は交流を支持していましたが、1895年に東京も交流に切り替えることにして、浅草の火力発電所に、ドイツのアルゲネ社製50Hzの交流発電機を導入しました。大阪電燈は米国のトムソン・ヒューストン社(のちにGE社が吸収)製の125Hz発電機を導入しましたが、1897年にGE社製の60 Hz発電機に切り替えました。その後、神戸・京都・名古屋の電燈会社もGE社製の60 Hz発電機を採用しました。このため、西日本は60Hzになりました。
たとえば交流モータでは、回転数が周波数に依存して20%の違いを生じるため、システムによっては切り替えが必要になります。東海道地域では、富士川を境に周波数が分かれています。
最近はDCモータやインバータ制御の普及で、周波数を気にする必要性が少なくなっています。

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