Renesas Synergy™

FAQ 1008974 : クロック発振安定時間(Clock Oscillation stabilization time)

[はじめに]
マイコンの動作にクロックは欠くことができないものです。通常は、マイコンに内蔵された発振回路に水晶振動子やセラミック発振子及びコンデンサを接続することで発振させるか、外部で発振させたクロックを供給します。
水晶振動子やセラミック発振子を用いた発振は、一般にインバータに帰還抵抗を付加することで構成した反転増幅器の出力を水晶振動子やセラミック発振子で位相を反転して(180度ずらして)入力に戻すことで実現しています。



[発振安定時間]
発振回路でのクロック発振は発振を開始しても直ぐに安定するわけではありません。水晶振動子やセラミック発振子で決まる周波数が徐々に大きくなりやがて、安定した発振となります。この発振成長期間を発振安定時間とよびます。この間は振幅が小さく、高い周波数の成分がかなり多く含まれており、マイコンを動作させるクロックの規格を満足できません。そこで、発振が安定するまではクロックを使用しないようにする必要があります。

コーヒーブレーク

発振安定時間は使用する発振子の種類や発振周波数、回路のマッチングの状況で異なります。数MHzの発振の場合にマッチングが正しく取れていれば、水晶振動子ではm秒のオーダで、セラミック発振子では100μ秒のオーダで発振は安定します。周波数が低い時計用の32.768kHzの発振では発振安定時間として秒のオーダまでかかることがあります。


[発振安定時間の確保]
発振安定時間の確保には2つの方法があり、マイコンによりどちらかになります。1つは、マイコンが自動的に確保する場合と、もう一つは使う側で意識して確保する必要がある場合です。78K0や78K0Sのような8ビットのマイコンでは殆んどマイコン自身で発振安定時間を確保するようになっています。一方、V850では電源投入時やリセットによりSTOPモードを解除するときには発振安定時間はリセット信号の幅により確保する必要があります。



リセット時の発振安定時間をマイコンが自動的に確保する方式は使用する上では簡単ですが、自由度が低くなります。電源立ち上げやリセット解除後のシステムの立ち上がり時間が問題となるようなときには発振安定時間をできるだけ短くしたい場合があります。また、外部からクロックを供給するときのように発振安定時間を確保する必要がない場合もあります。このような場合には、リセット信号で発振安定時間を確保する方法が適しています。

コーヒーブレーク

78K0/Kx2等のマイコンでは、マイコンの起動を早くするために発振安定時間の短い発振器を内蔵し、起動時にはその内蔵した発振器で起動しています。
78K0S/Kx1+では使用するクロックを選択できる機能をもっており、外部からクロックを供給する場合や内蔵の発振器を利用する場合には発振安定時間を確保しないようになっています。

V850でPLLを内蔵したマイコンでは、発振安定時間以外にPLLがロックするまでの時間が必要となります。
他にご質問がございましたら、リクエストを送信してください