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FAQ 1009001 : 電磁誘導(Electromagnetic Induction)

磁束が変動する環境にある導体では、その変化に比例して電位差(起電力)が生じる現象です。これは、容量の単位ファラッドの語源になった、イギリスのマイケル・ファラデーが発見したものです。
この起電力は、磁束変化を妨げる電流を生じる向きに発生(レンツの法則)し、その大きさはノイマンの定理によって、次のように表されます。

V=-d/dt

電気回路では、この起電力がノイズ源となります。
また、この磁界をもとに電磁波が発生し、離れた場所にもノイズの影響を与えます。
なお、誘導性負荷を駆動する電圧が変化すると、それに伴う電流変化によって磁束変化が生じ(アンペールの法則)、電圧変化とは逆向きの逆起電力がサージとなって発生します(インダクタンスが大きく、電流変化が急激なとき、10倍程度になることもある)。これが誤動作やデバイス破壊の原因となる程度のものであれば、ダイオードなどによるサージ吸収回路が必要です。

電磁誘導を利用した部品にコイルがあります。
コイルに大電流を流すと、強力な磁場が発生します。ここに電気を通しやすい鉄やステンレスなどの金属を置くと、電磁誘導で金属内に渦電流が発生して、金属の抵抗によって発熱(ジュール熱)します。この原理は電磁誘導加熱(IH:Induction Heating)と呼ばれ、IHクッキング・ヒータなどの調理器に応用されています。

【ティー・ブレイク】
抵抗での電力消費(W)による発熱をジュール熱と呼びますが、その単位はJ(ジュール)です。
物理的な熱量の単位はcal(カロリ)ですが、1カロリとは1mlの水の温度を1℃上昇させる熱量です。
ここで、両者には次の関係があります。

1cal=4.2J または 1J=0. 24cal

ダイエット運動で汗を流している人は、熱放射によって確実にカロリ消費をしているのです。


またチョーク・コイルは、自己誘導インダクタンスを大きくして、直流を通すけれど、交流を通さないようにしたもので、フィルタやEMC対策に利用されます。
トランス(変圧器)では、相互誘導インダクタンスを利用して、あるコイルの電流の変化で、隣接するコイルに誘導起電力を生じさせています。これにより、相互の巻数に比例して、交流電圧の昇圧や降圧ができます。

V1:V2=N1:N2




身近なトランスとしては、携帯機器などの電源のACアダプタや充電器に内蔵したものや、電柱の送電(AC6600V)から家庭へ引き込む(AC100/200V)ための変圧をする柱上トランス(電柱に設置されている円筒形のもの)があります。



なお、電流容量が小さいACアダプタでは、シリーズ・レギュレータやスイッチング・レギュレータによる安定化回路がない場合があります。

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