Renesas Synergy™

FAQ 1006435 : 制御用マイコンまたは組み込み用マイコン

マイコンを区別するときに「制御用マイコン」や「組み込み用マイコン」といった呼び方をすることがあります。「普通のマイコン」とどこが違うのでしょうか?マイコンは自動車、PC、エアコン、ビデオ・レコーダ、携帯電話、TV、電気炊飯器など、何らかの機器の中に入って使用されます(つまり、組み込まれて使用されます)。マイコンそのものを眺めているのはメーカの人か一部のマニアくらいでしょう。にもかかわらず、「制御用マイコン」や「組み込み用マイコン」と呼ぶ(区別する)のは、組み込みのための機能を強化していたり、組み込んで使い易いようになっていたりするからです。
マイコン(マイクロコンピュータ)は、MPUやCPUと呼ばれるマイクロプロセッサとMCUと呼ばれるマイクロコントローラに分けて考えることができます。

 

<参考:黎明期のマイコン>
初期のマイコンとして有名な8080はCPUと呼ばれ、6800はMPUと呼ばれていました。CPUはCentral Processing Unit(中央処理装置)の略で、コンピュータの中心になる部分(機能)であることを強調した呼称です。つまり、複数のLSIを組み合わせた場合にも同じような処理を行うものもCPUと呼びます。一方、MPUはMicro Processing Unit(超小型処理装置)の略で、LSI化されたことを強調したものと言えます。現在ではCPU部分以外の部分まで1個のLSIの中に集積されており、CPUとMPUの区別はないと言えます。


コンピュータは何らかのデータを入力して、データを加工(計算)して、結果を出力します。この中のデータ加工部分を主な対象にしたのがマイクロプロセッサで、そのためのCPU機能を中心に構成されています。下にコンピュータを構成する機能の例を示します。最近のマイクロプロセッサはCPU機能だけなく、中央の濃いクリーム色で囲まれた機能を集積しています。場合によっては、薄いクリーム色で囲まれたポート、A/DやD/A等の機能を内蔵している場合もあります。しかし、マイクロプロセッサでは、外部に命令を格納したROMを接続する必要があります。

 

<参考2:マイコンのデータ処理用途>
マイコンのデータ処理能力の観点でマイコンのアプリケーションの範囲を眺めると以下のようになります。
4ビットマイコンでは扱えるデータの基本的な大きさは4ビットです。4ビットでは0~15までの状態を扱えますので、数字を扱うことが主になります。そのため、応用分野としては十進の計算が主のキャッシュレジスタが挙げられます。
8ビットでは0~255までの状態を扱えますので、8ビットマイコンは数字に加えて英数字などの文字が使えるようになります。文字が扱えますから、英語のワープロやパソコンのようなアプリケーションまで広がります。
さらに、16ビットのデータが扱えるようになると漢字が扱えます。これで文字としての日本語対応ができるようになります。それでも、さすがに、音や画像といったデータを扱うには16ビットでは力不足です。
32ビットになると、より大きなデータを扱えることから、音や画像といったデータも扱えるようになります。


マイクロコントローラ(MCU)の場合には、さらにROMを内蔵しており、ここに命令を書き込んでおくことで、1つのLSIだけでも動作させることができます。このためによりコンパクトなシステムを構成できます。



マイコンのビット幅で見た場合の、マイコンを「データ処理用途」で応用する場合については<参考2>で触れました。それでは、これらの応用と「制御用」や「組み込み用」と言った場合の違いに触れてみたいと思います。
「制御用途」では何らかの入力信号に対して必要な処理を行い、結果を出力します。入力信号は「データ処理用途」と異なり、スイッチの状態や、温度や磁気と言った物理的な情報を変換するセンサからの信号(アナログ量)が主になります。これらの入力に応じて、例えば、スイッチを押すと明かりを点灯するとか、温度がある値以上になったら警報音を鳴らすと言ったような処理を行うのが制御用マイコンの用途です。



通常、スイッチの情報は1ビットです。つまり、制御用マイコンとしては1ビットの情報を効率的に処理できる必要があります。また、自然界の物理量はアナログ量ですので、センサの出力はアナログ信号になります。これを扱うにはA/Dコンバータを内蔵する必要があります。制御用マイコンの出力は明かりのON/OFFを制御するための信号のように1ビットのものがあります。また、明るさを制御したり、音を鳴らしたり、DCモータを制御したりするためのアナログ信号であったり、モータなどのアクチュエータをドライブするための信号、場合によってはLCDや蛍光表示管のような表示装置をドライブする信号だったりします。これらに対応した出力機能をもつことも制御用マイコンに要求されます。

また、携帯用の装置に応用するには、コンパクトにシステム構成できる必要がありますし、それ以外に、低い電圧で動作できるとか、低消費電力であることも重要な要素となります。
このように、細かなところに工夫をこらすことで目的に合った機能を実現しているのが「制御用マイコン」「組み込み用マイコン」です。

他にご質問がございましたら、リクエストを送信してください