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FAQ 1008547 : 電気ってなんですか。

電気の実体は「電子」です。
電気はプラス(+)からマイナス(-)へ流れると言われますが、実際は電子がマイナスからプラスへ移動します。これが発見されたときには、すでに「プラスからマイナス」が世の中で定着していたので、混乱を避けるため、「電流はプラスからマイナス、電子はマイナスからプラスに、それぞれ流れる」という定義になってしまいました。



電子は、あらゆる物質(固体、液体、気体)に含まれています。物質を構成する原子そのものが、陽子(+)と中性子からなる原子核と、それを取り巻く電子(-)でできています。外力などによって、原子の電子が飛び出した場合、これが電気となります。本来、陽子と電子は同数ですが、電子(-)が飛び出した原子は、電気的には陽子(+)が過剰になるので、プラス・イオンとなります。逆に電子が飛び込んだ原子は、電気的には電子(-)が過剰になるので、マイナス・イオンとなります。

たとえば、ナトリウム原子(Na:原子番号11)は、それぞれ11個の電子と陽子、12個の中性子でできています。



ここで、最外核の電子は1つなので、これが飛び出せば安定します。
また、塩素原子(Cl:原子番号17)は、それぞれ17個の電子と陽子、18個の中性子でできています。



ここで、最外核の電子は7つなので、ここに電子が飛び込めば安定します。
したがって、ナトリウムNaと塩素Clは容易にイオン結合して、NaCl(塩)になります。これを水に溶かすと、安定したままナトリウム・イオンNa+と塩素イオンCl-に電離(イオン化)した塩水となります。ナトリウムはアルカリ金属の一種なので、ナトリウム・イオンNa+を含む水は、アルカリ・イオン水と呼ばれます。
プラスやマイナスの性質を帯びることを「帯電する」と呼びますが、これはプラスの電荷とマイナスの電荷によるものです(電荷Qの単位はクーロン[C])。1つの電子の電荷量はe-=1.6×10-19[C]です。

塩のように原子が結合した場合は、電子が内部で安定してとどまりますが、電子が原子から飛び出した場合、自由電子となります。これが電子の足りないところへ流れると電流となり、流れる先がなくてとどまると静電気になります。
自然界の現象では、雷がその例です。これは、マイナスに帯電した雲(水蒸気)から電子が、地表やプラスに帯電した雲に放電されるのです。

【ティー・ブレイク】
原子から電子が飛び出す要因のひとつとして、太陽からとどく紫外線があります。よくオゾン層の破壊が話題になりますが、これは地上約10~50kmの成層圏(ここに大気中のオゾンの90%以上がある)のオゾンが分解されて失われることです。
目に見える可視光線は、虹で見える波長400~750nm(紫から赤)で、赤より波長の長い領域は赤外線、紫より波長の短い領域が紫外線です。紫外線は生物への作用によって分類され、UV-A(波長400~315nm)、UV-B(315~280nm)、UV-C(波長280~100nm)に分けられます。

UV-A(A波):大半が地表にとどき、シワやたるみの原因となる。

UV-B(B波):一部は地表へとどき、皮膚ガンや日焼けを生じ、シミやそばかすの原因となる。

UV-C(C波):生物に最も有害だが、オゾン層と大気中で吸収され、地表にとどかない。


オゾン層破壊によって、わたしたちが影響を受けるのはUV-Bです。オゾン層が1%減少すると、地上のUV-B量が約1.5%増加すると言われています。オゾン層は生成と消滅を繰り返していますが、フロンやハロン、臭化メチルなどが紫外線に反応すると、オゾンを分解してオゾン層破壊を促進します。
これは、塩素や臭素がオゾンと化学反応を起こすためで、これらの原子1つでオゾン分子を数万個も連鎖的に分解すると言われています。たとえば「フロン」というのは、炭素、水素、フッ素、塩素などの化合物です(日本での俗称で、世界的にはデュポン社の商標「フレオン」)。紫外線で分解されたフロンから塩素分子が放出されてオゾン分子に出会うと、次の触媒反応が起こります。

Cl2+2O3→2ClO+2O2→Cl2+3O2

つまり、オゾンO3が酸素O2になるため、オゾンが消滅したことになります。
オゾンは殺菌力が強く、環境を汚染しないので、殺菌システムなどで利用されることもありますが、体にいいものでしょうか。これは、酸素O2が紫外線を受けて分解・結合し、O3になったものです。つまり活性酸素の1種です。活性酸素は体内でも発生していますが、大量に取り入れるとガンの原因になると言われています。直接触れないところから、わたしたちを守ってもらいたいものです。
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