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FAQ 1009071 : バイアス(Bias)

処理ができる状態になるように行う「かさ上げ」のことです。
たとえばプログラムの数値処理で、-128~+127を扱う場合、バイアスとして128(80H)のオフセットを定義すれば、0~255(0~FFHの8ビット)で負数も表現できます。この場合、00H~80Hが-128~0、81H~FFHが1~127に相当し、演算結果が80Hより小さければ、負数ということになります。

【ティー・ブレイク】
負数を表すには、MSBを符号とみなす2の補数表現もあります。この場合も-128~+127は8ビットで扱われ、MSBであるビット7が1のときに負数を表し、00H~7FHが0~127、80H~FFHが-128~-1に相当します。


電気回路でのバイアスは、動作可能な状態になるよう、直流電圧をかけることです。増幅回路では、交流信号の負電圧部分で動作するように、バイアス電圧でオフセットをかけて正電圧側に持ち上げます。たとえばバイポーラ・トランジスタの「A級増幅回路」では、ベースにバイアス電圧をかけて、0V以下に振動しないよう、常に能動状態にします。



A級増幅回路は、バイアスの分だけ消費電力が多くなります。そこで、NPNトランジスタとPNPトランジスタを組み合わせたプッシュプル回路で、正負交互に動作させて出力を合成し、消費電力を低減したのが「B級増幅回路」です。プッシュプル回路には、コンプリメンタリ(特性が同等で逆極性)の2つのトランジスタが使用されます。



各トランジスタのベース-エミッタ間のオン電圧(0.6V程度)より0Vに近いベース信号では回路が動作しないため、B級増幅回路の0V付近では、合成出力にひずみが生じます。「AB級増幅回路」では、オン電圧相当のバイアスをかけて、合成波がひずまないように動作させます。

【ティー・ブレイク】
トランジスタや真空管の増幅回路では、上記のほかにはC級とD級の増幅回路があります。
「C級増幅回路」は素子にバイアスを与えないで、入力電圧が高い部分だけを増幅するもので、高調波成分をフィルタで抽出して、周波数逓倍(ていばい)回路などに応用されます。
「D級増幅回路」は素子の飽和領域を使用して、ディジタルのスイッチング動作をするもので、純粋な増幅回路ではありません。
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